平野本撚り証紙

【平野本撚り証紙】

平成24年11月3日に皇居にて瑞宝単光章を授与された平野弘明氏が製造した御召緯を使用しております。

 

【最古の和式撚糸・本撚り】

先練先染織物の代表である西陣御召縮緬に絶対不可欠なもの、それが御召緯(おめしぬき)です。

江戸時代中期までは、紡ぎ車で1本ずつ糸に手で撚りを掛けていましたが、1783年に岩瀬吉兵衛氏(茨城県出身)が八丁撚糸機を発明しました。当時は水車を利用し、明治時代に入ってからは電力に変え、現在に至ります。

西陣御召は、八丁撚糸機で右撚(S撚)と左撚(Z撚)に強撚加工した御召緯を交互に織込んで反物に織り上げます。これを整理屋でぬるま湯に浸けて糊を落とし、撚りを戻す「地入れ」「湯のし」などの作業をおこない完成させます。
織物の表面にシワやシボをつくり出すだけでなく、独特の風合いを醸し出す、最も重要な役割を果たすのが御召緯です。

糸の下撚りから、練り・染め、糊付け、それぞれの工程で熟練の西陣職人の手を経て、最後に私の元へ届き、本撚りを施します。
「本撚り」という呼称は西陣独自であり、西陣シボ(シワ)御召の緯糸専門に使われる撚糸名です。この技術を次世代へと継承するために、日々研究・精進しております。